クレジットカード

使っていない不要なクレジットカードを所持するデメリットとは?

今や支払方法のメインとなっているキャッシュレス決済。スマホ・電子マネー・クレジットカードと様々な方法があり、中でももっともよく使用されているのは、クレジットカードなのです。多種多様なクレジットカードがあり、発行枚数も年々増えています。2023年3月末時点のデータでは、発行枚数が前年比2.5%も増加しており3億860万枚、1年間ではなんと約760万枚も増加しているのです。

そんなクレジットカードを複数枚所持している方も多く、「申込時に多くポイントがもらえる」「特定の買い物をするとお得」など、カードごとに魅力的な特典があり作ってみたけど…。そのすべてを使いこなしている方はごくわずかではないでしょうか。その中の数枚はすでに使用しておらず放置、という方も少なくありません。

使わなくなってしまったクレジットカードを放置するとどんなデメリットがあるのでしょうか。解約方法や注意点などについても詳しくご紹介します。

未使用のクレジットカードを所持するデメリット6つ

使用できる状態のクレジットカードを持っていて放置している場合、生じる可能性のあるデメリットについて解説します。

不要な年会費がかかる場合がある

クレジットカードによって、利用の有無に関わらず年会費がかかるものがあります。使用していないのに、毎年年会費だけ支払っている、なんてことはないでしょうか。「永年無料」のカードであれば年会費がかかることはありませんが、中には「初年度は年会費無料」「1回での使用したら無料」など条件付きで無料となっているものも多いため、年会費が発生していないかを把握することが必要です。

不正利用されることがある

日本クレジット協会の報告によると、クレジットカードの不正利用による被害金額は増加傾向にあります。被害の大部分にあたるのが「番号盗用被害」、クレジットカード本体を使用せず番号のみを利用して決済されたものです。カード番号が何かしらの形で悪意ある人の手に渡るだけで不正利用の危険性があります。そして所持枚数が多ければ多いほどそのリスクが上がります。
クレジットカード会社でも不正利用の監視システムを活用していますが、すべての不正が防げるわけではありません。

クレジットカードを新規で作りにくくなる

クレジットカードの契約者が借りることのできる限度額を「与信枠」と言います。この与信枠は各クレジットカードごとに設定があります。
所持枚数が多いということは、この与信枠の合計である総与信枠が大きくなります。過度な借金を認め返済が滞ることを避けるため、総与信枠が大きい人はカード会社でチェックされて発行拒否をされる場合があるのです。
また、複数枚のクレジットカードを所持することで、個人の信用情報に支障が出て、他の金融商品にも影響を与える可能性があります。使用していないカードを解約することで不必要な信用枠を整理し、健全な信用情報を保つことができます。

管理が大変になり、ポイントも貯まりにくい

クレジットカードを複数枚持っていると、管理が複雑になるため大変です。色々なクレジットカードで引き落とし設定をしてしまうと、何をどのカードで支払いしているのか分かりにくくなります。しかも、引き落とし日もカードにより違うため何度も確認する必要が出てきます。また、ポイントが貯まる機能があるクレジットカードの場合、それぞれのクレジットカードにポイントが分散してしまい使いにくくなります。

住宅ローンの審査が通りにくくなる可能性がある

未使用のクレジットカードを複数枚所持していると、すべての利用可能枠が総合負債として計算され、住宅ローンなどの審査に悪影響を及ぼす可能性があります。利用可能枠が多いと、返済能力に疑問を持たれ、審査が厳しくなってしまうことがあるのです。
また、複数枚の未使用カードを持っていることで、それがいつ使われるという予測がつかないため、金融機関としては不要なリスクを負うのは損だと考えます。そのため信用評価が低下し、住宅ローンが不承認となってしまう可能性があります。

利用への勧誘

クレジットカードを持っていると、本来買わなくてもよいもの、利用する必要のないサービス等についつい手を出してしまうことがあります。
また、借金癖がある人にとっては、利用可能額が「使用できるお金が増えた」と錯覚し、貯金が増えたような感覚で使用してしまう危険もあります。
誘惑に負けてつい利用してしまうリスクに打ち勝つため、不必要なクレジットカードを整理しておくことは重要です。

解約するクレジットカードの選定

クレジットカードの複数所持にデメリットがあることを知り、解約して整理しようと考えた方も多いのではないでしょうか。解約するにあたりどんな条件のカードを優先したらよいのか選定方法は以下を参考にしてください。

  • 1年以上使用していないクレジットカード
  • ライフスタイルに合っていないクレジットカード(使用していない通販サイトが
  • お得になるカード、など)
  • 年会費が必要なクレジットカード(条件付きで無料、を含む)
  • 還元率が良くないクレジットカード

作ってはみたものの使わなそうだから…と数ヶ月などの早期の解約はオススメできません。信用情報に傷がつくおそれがあるため、あまりにも短期間での解約は避け、1年以上未使用カードのを解約しましょう。

クレジットカードを解約することのデメリット

不必要なクレジットカードは解約することをおすすめしますが、解約によるデメリットはあるのでしょうか。クレジットカードを解約することで考えられるデメリットをご紹介します。

ポイントが使用できなくなる

ポイントが残っている状態でクレジットカードを解約してしまうと、貯めたポイントがすべて消えてしまう可能性があります。過去にクレジットカードを使用した履歴があれば、少なからずポイントが貯まっているはずです。解約するカードのポイント残高をあらかじめ確認しておきましょう。ポイントを使い切ったうえで解約する方がお得です。

支払済の年会費が無駄になる

クレジットカードの中には年会費がかかるものもあります。年会費の引き落とし直後のタイミングで解約すると、支払った年会費が無駄になってしまいます。年会費は自動で引き落としになることがほとんどなので、年会費の支払いに気づいていない方もいるかもしれません。解約を検討しているカードがあれば事前に、年会費がかかるのか、その引き落としはいつなのかを確認しておくことが必要です。

支払いが不便になる

クレジットカードは多種多様なので、割引特典があるものもあります。そんなカードを解約するとせっかくの割引を受けられなくなります。利用頻度の高い店舗での特典があるカードについては、解約についてよく検討してみる必要があります。また、整理したくなって所持しているカードをすべて解約してしまうと、決済手段が減り不便になります。

クレジットカードを解約する際の注意点

ここまでクレジットカードを解約することについて述べてきましたが、手持ちのカードを整理しようと考え始めた方も多いかもしれません。実際に解約する際に、いくつか注意すべき点がありますので解説します。

支払方法を事前に変更しておく

光熱費や通信費など、クレジットカードを支払方法として設定しているものがあれば解約前に必ず変更しておきましょう。もし変更することなくクレジットカードを解約してしまった場合、サービス料金の支払いができません。最悪サービスの利用が停止されたり、料金延滞の扱いになる恐れがあるために注意が必要です。

未払い額について確認する

解約予定のクレジットカードに未払いの金額がいくら残っているかについての確認も必要です。リボや分割、ボーナス払いなどの設定によりまだ支払っていない金額がある場合、カード会社によりますが解約と共に一括での返済が請求される可能性があります。一括での返済が高額になりまとめて返済するのが厳しい場合は、リボ払いや分割払いが終了してからの解約をおすすめします。

ETCカードの利用状況をチェックする

ETCカードは、高速道路などの有料道路の料金を自動精算できるICカードで、クレジットカード付帯のカードが多いです。そのようなETCカードを使用している場合、クレジットカードを解約すれば付帯しているETCカードも使用できなくなってしまいます。ETCカードは今後も利用したいという方は、クレジットカードの解約は考え直す必要があります。今はETCカードを利用していなくても、今後利用する可能性がないか考えてみましょう。

解約時の手数料がかからないか確認する

クレジットカードを解約する際、手数料が発生しないことがほとんどです。しかし、中には手数料が発生するカードも存在します。各クレジットカードにより解約時の手数料の有無は異なるため、注意が必要です。解約の手続きをする前に、手数料がかかるか否かについて確認しておきましょう。

クレジットカードの平均保有枚数は約3枚

クレジットカードはどのくらい世の中に行き渡っているのでしょうか。日本クレジット協会の調査報告によると、20歳以上の平均所有枚数は3枚ということです。クレジットカードの種類も、それを使用する消費者も多種多様である昨今、支払い方法や利便性などのライフスタイルに合わせて活用していると分かります。

クレジットカードがこれだけ普及したことで、複数カードの管理の課題も問題視されるようになってきました。保有枚数も支払いに関しても自身が十分に管理できると思う範囲内に抑えることが必要です。

保有するのは管理しやすいメイン+サブ1~2枚がおすすめ

メインとサブを効率よく使い分けるのが、クレジットカードを有効活用する重要なポイントです。メインのカードは日常的に使う頻度が高いもの、サブカードは特定の用途や緊急時の利用を目的にします。

メインで利用するクレジットカードは、スーパーやコンビニなど日常の買い物・ネットショッピングなどの利用頻度の高い店舗でのポイント還元率が良いものを選ぶとよいでしょう。さらに、光熱費などの公共料金も支払い設定をしておけば、毎月効率よくポイントを貯めることができます。

サブで利用するクレジットカードには、メインカードが持っていない特徴があるものを選ぶことをおすすめします。違う国際ブランドを選んでおけば、メインカードのブランドが未対応の店舗でもサブカードで対応できる可能性があります。また、メインカードとは違うサービスでのポイント特典があるものなどを選べば、損なくバランス良くポイントを貯めることができます。

不要なクレジットカードを解約する方法

クレジットカードの解約…となると、面倒な手続きがあるのではないかと思う方もいるかもしれませんが、実は解約手続きはオンラインや電話で簡単に行うことができます。

オンラインで行う場合は、基本的にそれぞれのカード会社の公式サイトにアクセスし、解約のページの指示に従って手続きをします。難しいページ設計にはなっていないので、手元にカードを用意して手続きを進めましょう。

電話で行う場合は、5分程度で完了することがほとんどです。各カード会社の問い合わせ窓口に電話し、解約したい旨を伝えればすぐに対応してもらえます。解約理由を問われる場合もありますが、「使用しなくなった」など簡潔に正直に伝えて問題ありません。自動音声案内の場合もありますが、指示に従い入力をしていくだけで完了できます。

解約後に不要になったクレジットカード本体は、不正利用防止のためにも必ずハサミやカッターなどでしっかりと切断しましょう。特に、磁気ストライプ・ICチップ・名前・カード番号の部分は念入りに細かく切って捨てましょう。復元が難しくなるように、いくつかのごみ袋に分けて廃棄するのもおすすめです。

基本的に、解約手続きは各カード会社によって簡単にできるよう設計されていて、ユーザーからの解約希望を容易に受け入れられるようになっています。カード会社にとっても、不要になったカードの不正利用を防ぐために解約してくれることを望ましいと考えているからです。

まとめ

使用していない不要なクレジットカードは、所持していてもメリットはありません。
不正利用や無意識にコストがかかってしまうリスクを回避するためにも、定期的にカードの整理を行うことが大切です。使用頻度やポイント還元率など、自身のライフスタイルに合ったカードを取捨選択し、不要なクレジットカードは早めに解約を検討しましょう。

適切な対応で無駄な出費を防いで、カードの安全性を向上させましょう。必要なクレジットカードのみに絞って使用することで、お金を健全に管理しセキュリティにも強くなります。
クレジットカードについてのメリットデメリットを知り、生活を豊かにしていきましょう。